印刷会社が中途採用の求人をする3つのタイミング

右肩下がりの印刷業界にあっても、中途社員の募集を行なっている印刷会社はたくさんあります。印刷会社の置かれた状況によって募集要項は異なりますが、なぜ中途採用をするのか考えられる3つの理由についてまとめました。転職の際の参考になれば幸いです。

印刷会社に限らず中途社員の採用を行うには、募集にかかる費用、採用する人材のスキルや人間性、採用までにかかる時間など多くのリスクとコストが懸念されます。経営者としては余計な人件費は経営を圧迫しますから、中途採用などせず現存社員のままで難局を乗り切り、先々余裕のある時に人材を採用したいと考えるのが当然ではないでしょうか。

これから印刷業界に転職しようと考えている方は、求人を出している印刷会社がどのような状況下に置かれているのか、十分に検討する必要性があるのです。

中途社員を募集する3つのタイミング

  1. 担当社員が退社する
  2. 仕事(顧客)が増えた
  3. 新規事業を始める

1.担当社員が退社する

理由として最も多いと考えられるのが、業務を担当している社員が退社することになった場合
です。もしくは、定年退職することになった場合です。

このような場合、会社としてまず初めに考えることは現存社員で対応できないだろうか、ということです。社員が辞めるということは人件費が減りコスト削減につながります。さまざまな要素はありますが、端的に言えば利益が増えるということになります。

一方、現存社員でその業務を補おうとすると、社員の労働環境が悪化し辞めてほしくない社員まで辞めてしまうことで顧客への対応が疎かになります。その結果、これまで積み上げてきた会社の信用を汚し、売上の大幅ダウンにも繋がります。それでは会社としてデメリットでしかありませんので、すぐにでも後任社員を募集しようという流れになるわけです。

辞めていく社員にやむを得ない理由があるのであれば仕方のないことです。しかし、その要因を考えてみると、営業職であればノルマがキツイ、拘束時間が長く帰宅が遅い、他社と比べて著しく給料が安いなど。また、DTPオペレーターや印刷機オペレーターであれば残業手当や休日出勤手当が支払われていないということも十分考えられます。もしかしてブラック印刷会社かもしれないのです。

中途採用に応募しようとしている方にとって、前任者の退職の理由が定年退職であればブラック印刷会社を疑う必要はないかと思います。しかし、そうではなく若手社員や中堅社員が辞めてしまうような場合には、会社側に何らかの理由があると考えてもおかしくないでしょう。

応募時や面接時には退職理由がどのようなものであったか聞いておきたいところです。もっとも、印刷会社にとって不利益になるようなことは言うはずはありませんが、何か感じ取れることもあるものです。退職理由や労働環境など会社の内部事業を探るときは、転職エージェントを活用すると貴重な情報を入手することができるでしょう。

2.仕事(顧客)が増えた

ここで言う仕事が増えたというのは、誰かが辞めて一人あたりの仕事が増えたということではなく、経営が上手く仕事と顧客が増えた場合の話です。

経営者のマネジメントにより社員一人一人が努力を積み重ねた結果、仕事も顧客も増え売り上げもどんどん上がっている状況です。

このような状況では、仕事が多すぎて現存スタッフでは顧客対応が疎かになってしまい、品質的・納期的に顧客に悪影響を及ぼしてしまいます。

さらには社員の労働環境も悪化しモチベーションが下がり、これまで頑張ってきた仲間が身体を壊し最悪退職するということになってしまいます。

純粋に印刷会社で働こうと考えている方にとって、仕事量も売上も伸びていく会社と考えられますから第一候補としたい会社といえます。

3.新規事業を始める

印刷需要の落ち込みから新規事業を始めたり、事業拡大を目指したりする印刷会社もたくさん存在します。

たとえば、
・自社オリジナル製品を開発しインターネットなどで販売する
・新たに印刷機などを導入しこれまでとは異なった顧客層に販路開拓する
・地方の印刷会社が販路を求めて東京に事務所を開設する
・全く異業種であるLED照明販売事業や太陽光発電事業に参入する
といったケースです。

このようなケースでは、募集する人材もこれまでとは違ったものとなります。
既存社員を一から教育するのではなく、その分野の専門的なスキルを持った人材を採用した方が早く事業として成り立つからです。

経営者としては現状を打開するために新たな勝負をしているわけですから、やる気の度合いも違います。上手く軌道に乗れば行く先が明るい印刷会社になるでしょう。しかしながら、どこまで勝算があって乗り出しているかはわかりません。多くの場合、他の印刷会社が上手くいっているからとか、コンサルタントがすすめるからなど、ある意味博打的なケースには注意が必要です。

経営者がどこまで本気で臨んでいるのかを見極めることが必要です。たとえ新規事業が上手くいかなかったとしても、社員を見捨てたりしないような経営者なのかどうか、面接時にその言葉や振る舞いから経営者としての力量を見極めるように頑張りましょう。

まとめ

単に印刷会社の中途採用といっても、その印刷会社の置かれた状況によって入社後の労働環境は大きく異なります。その印刷会社がどのような状況で中途採用を行なっているか見極めることはこれから応募しようとする方にとって非常に重要です。

一人では情報収集するにも限界がありますので、転職エージェントなどを上手く活用し、間違ってもブラック印刷会社に入社しないようくれぐれも注意しましょう。

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