スマーケティング(Smarketing)とは何か
最近、スマーケティングという言葉を耳にしました。聞きなれない言葉だったので、早速ウィキペディアで調べてみました。が、残念ながらこの記事を書いている時点では、スマーケティングについての記述はありませんでした。
しかし、英語版wikipediaにはありましたので、英語の得意な方はこちらを参照ください。
さらにスマーケティングについて調べてみると、Jeetu Mahtani氏(Managing Director, HubSpot EMEA)のインタビュー記事インバウンドマーケティングを正しく理解してマーケ部と営業部の関係を良くしていく10のポイントの中で、簡潔にまとめられていましたのでご紹介します。
セールス(sales)とマーケティング(marketing)を合わせた造語。同時に、「賢いマーケティング(smart marketing)」の意味も含んでいる。
私たちはこうしてマーケティングとセールスが上手く連携している状態を「スマーケティング(smarketing)」と読んでいます。
しかし、ここで疑問を持ちました。
ある程度の企業になれば営業セクションとマーケティングセクションがそれぞれ独立して存在し、当然のことながら同じ目標に向かってコミュニケーションを図りながら業務を遂行しているのに、なぜスマーケティングなのか?(残念ながら、私の所属する零細企業にはマーケティング部門は存在しないので、今ひとつピンときません。)
営業部門とマーケティング部門は相容れない関係になっている
いろいろ調べていくと、どうも営業部門とマーケティング部門は相容れない関係になっているケースが多いということが分かりました。
それぞれの立場で言い分が異なっているようです。
■営業部門の言い分
・こんなマーケティングは机上の空論だ!
・こんな製品・ネーミングでは売れない!
・売価設定が高すぎる!
■マーケティング部門の言い分
・売る能力のない営業の言い訳だ!
・否定する前に売ってこい!
という具合に、責任の押し付け合いです。
では、いったいどうしてこのような状況になってしまうのでしょうか。
アウトバウンドマーケティングが原因とも
営業部門とマーケティング部門は相容れない関係になってしまう一つ要因に、従来のマーケティング手法であるアウトバウンドマーケティングが考えられるということです。
なぜ、アウトバウンドマーケティングだと営業部門とマーケティング部門が相容れない関係になってしまうのでしょうか?
そもそも、アウトバウンドマーケティングとは、売り手から見込み客に対しニーズに関係なく一方的にメッセージを発信する手法のことです。具体的には、電話営業、飛び込み営業、ダイレクトメール、折込チラシなどです。
ここで問題になってくるのは、“見込み客のニーズに関係なく” メッセージを大量に発信している点です。
営業部門とマーケティング部門が擦り合わせをして製品やサービスを販促展開していくわけですが、結局のところ、すべての見込み客のニーズをこと細かく把握し対応することは不可能だということです。
たまたま、その情報(製品・サービス)を必要としている見込み客に当たればラッキーですが、その確率は極めて低く大変非効率といえます。もっと言えば、その情報を必要としていない見込み客にとっては嫌悪感を抱くこともあり、製品・サービスはもとより企業のイメージダウンにも繋がりかねません。
マーケティング部門としては、営業部門からの意見も取り入れマーケティングを構築します。
営業部門としては、顧客との接点を増やしコミュニケーションを図りながら、顧客のニーズを聞き取ろうと努力するわけですが、営業マンのスキルや解釈の違いから正確なニーズを吸い取ることは出来ません。
顧客がどこまで本音でしゃべっているのかも正直疑問です。
結局、現場の実態がよくわからないまま、創造でマーケティング(仮説とも言えるが)しているのがアウトバウンドマーケティングともいえます。
そのようなマーケティングだから、最前線に立つ営業部門にしてみれば、製品やサービスを売り込みを掛けても手ごたえを感じ取ることができず、こんな製品じゃ売れないということになってしまうわけです。
このような経緯から、アウトバウンドマーケティングでは営業部門とマーケティング部門にギャップが生まれ相容れない関係へと発展してしまうのです。
インバウンドマーケティング効果
見込み客の多くが、DMは未開封のままゴミ箱へ、テレアポには居留守を使い、不要なメールは迷惑フォルダへなど、従来のアウトバウンドマーケティングには反応しなくなっています。
インターネットの普及で見込み客の多くは、自分自身の課題を解決するために、パソコンやスマートフォン(今後はスマホが主流)で検索・比較・検討したうえで、自らアクションを起こしているのです。
インバウンドマーケティングという手法は、
見込み客の課題解決に有用なコンテンツを発信し続けることで、見込み客に自社の製品・サービスを見つけてもらうようにするマーケティング手法です。
インバウンドマーケティングで見込み客との接点を持つために、企業が最低限用意しておかなければならないツールがあります。
企業が最低限用意すべきツール
- 自社サイト
- 検索キーワード
- ブログ
- ソーシャルメディア
自社と取引するメリットを提示し、アクセスしてくる見込み客に対し課題解決法を用意しておきます。
見込み客が検索するキーワードを的確に収集しなければなりません。
潜在顧客のニーズ(検索キーワード)を探るオウンドメディアが必要です。SEOにも関わるので更新頻度も非常に重要です。
見込み客はどこから流入するかわかりません。あらゆる流入経路をカバーしておく必要があります。
言うまでもなく、それぞれのツールで見込み客にとって有益なコンテンツを提供しなければなりません。
一概に見込み客と言ってもそのマインドには3つのステップがあります。
見込み客の3つのマインド
- 潜在顧客
- そのうち客
- 今すぐ客
提供したい製品やサービスに対し、まったく関心のない層です。
しかし、いまのところその課題には直面していないが、いずれ顕在化してくるであろう層でもあり、興味を喚起しておきたい層です。
業務上の課題に対して情報収集を行なっている層です。
業務上の課題に直面しており、すぐにでも解決しなければならない層です。
インバウンドマーケティングは、それぞれの層がどのようなキーワードで検索しているのか、またどのコンテンツにアクセスしているのかこと細かく把握・分析できるので、的確なマーケティングを行なうことができるのです。
マーケティング部門としては、あらかじめ見込み客がどの段階でどのくらい熟したら営業部門に手渡すのかを明確にしておくことで、営業効率は間違いなくアップするでしょう。
インバウンドマーケティングをサポートするマーケティングツール
必ずしも必要ではありませんがインバウンドマーケティングをサポートするために、マーケティングツール(ソフト)というものが存在しています。これらのツールを駆使してスマーケティングすることをマーケティングオートメーションといいます。
海外マーケティングツール
Hubspot(ハブスポット)
Pardot(パードット)
Eloqua(エロクア)
Marketo(マルケト)
国内マーケティングツール
Kairos3(カイロス3)
SATORI(サトリ)
synergy!LEAD/synergy!360
シャノンマーケティングプラットフォーム
まとめ
インバウンドマーケティングという手法であれば、営業部門とマーケティング部門が相容れない関係になることはあり得ないでしょう。
ただ、全ての業界でインバウンドマーケティングが万能というわけでもないでしょうから、従来のアウトバウンドマーケティングと上手く使い分けていくことが必要なんだとも思いました。
印刷業界でも取り入れていかなければなりません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。